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その夜を境に、僕は毎日希望の家を訪れた。
毎日希望の話を聞いた。
僕の仕事は不規則な時間に入るものなのだが、毎日、通った。
明日を見ている希望の瞳が嬉しかった。
しかし、どんな話をしていても、どんな料理を食べていても、希望があの時のような輝きを取り戻すことは決してなかった。
「なんか、毎日ごめんね?」
「いいよ、気にするな。そんなことより…もう大丈夫なのか?」
「何が?身体?大丈夫だよっ!」
「違うよ。その…アレだよ…」
「何よ、ハッキリと!」
「うん…あの、精神的な問題…。」
「へ…あ、うん。大丈夫だよっ。
心配してくれてありがとう。」
いつもより心なしか、
声が小さかった。
不安があるのは当然。
それはわかっていたが、
全てを理解してやれない自分に
無力さを感じた。
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