98人が本棚に入れています
本棚に追加
休み時間、教室に帰ろうと廊下を歩いている最中だった。見慣れた顔が、目に入る。
いつでも一緒だった。鬼ごっこで逃げる時も、かくれんぼで隠れる時も。小学校だっていつでも一緒に遊んでいたし、中学校に入っても変わらなかった。
「あ――」
いつも、いつもいつも俺がくっついて回っていた。最初の頃は楽しかったから。でも、だんだんとあいつが離れて行きそうな気がして、離れられなくなった。
大人びていたし、どこか人を惹き付けるから。あいつの周りには、いつでも色んな友達がたくさん居た。でも、一番近い所は俺が独占していた。
休日は毎日遊んでいた。部活も一緒で、休みも一緒だったから。あいつの家に行って、ごろごろ二人で過ごすのが好きだった。
「…………」
隣を通り過ぎるあいつを横目で見た。前までならどうしていただろうか、なんて事を考えながら一人で教室に戻る。
最初のコメントを投稿しよう!