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あいつとは一度もクラスが同じにならなかった。それでも、休み時間毎にあいつに会いに行った。
今更後悔する。勘は当たっていた。ちょっと目を離した隙に、あいつに近付けなくなった。
ちょっとした事だった。少し、後輩に言われただけだった。
たったそれだけで、糸は切れてしまった。
「先輩って、部長のこと大好きですよね」
その後に続いた言葉は耳に入らなかった。不意打ちに、固まってしまった。
「皆言ってますよ『あの二人は羨ましい位仲が良い』って」
「……どこが」
問いかけに、後輩は答えなかった。
ちょっぴり誇らしかった。皆に認められたみたいで。でも、それ以上に恥ずかしかった。
それから、あいつに話しかけるのをためらうようになった。
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