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「いらっしゃいませー」
コンビニに入った時特有の音と、店員の気だるげな声が耳に届いた。
――今日はいないのかな。
期待していたはつらつとしたものとは違う声に、薫は肩を落とす。店内を見回しても、数人の客しか目に入らない。
だが、入店した以上何も買わずに出るのは気が引ける。図太くなれない自分と、確認を怠った自分を少し恨めしく思う。
仕方なく、お気に入りのアイスとチョコレートを持ってレジに目を向ける。瞬間、薫に電撃が走った。
さっきまでいた店員と変わって、線の細い、整った顔立ちの男が立っていた。その人こそ、薫がわざわざ家から離れたコンビニに来た理由の人物である。
急いでレジに駆け寄る薫。
――やっぱり、シフトは月水金だ!
にやけそうな顔を抑えて、叩きつけるように商品をカウンターに置いた。
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