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♂サートック城♂
時刻は早朝
まだ陸(ろく)に太陽も昇りきっていない中、俺は我がサートック領地の領主様の住むお城に忍び込んでいた
「ねぇ……ホントに大丈夫なの? カイルゥ~」
透き通るような青い双眼で俺を見据える少女―――ってか双子の妹のミレニアは不安げな声でそう口にする
「いやぁ大丈夫でしょ? ちょーとあのオヤジに仕返ししてやるだけだって」
対する俺はこれから起こる惨事を想像し、込み上げる笑いをなんとか押さえ―――
「……ヒヒッ」
やべ、押さえきれなかった
……おいミレニア、そんな白い目で俺のことを見るな
兄として悲しくなるだろ
「……ゴホン! さあ、早く隠れるぞ! 我が妹よ!」
気を取り直して今回のミッションの目的の人物がいるであろう兵舎に向かう
「もぉ! どうなってもしらないよ!」
若干声に怒気を含ませながらもしっかりと俺についてくるミレニアに苦笑しつつ
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―――――
―――――――
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