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来た―――!
間違いない、この聞くだけで背筋をピシッと伸ばしてしまうような深く威圧感のある声は今回のターゲットのオヤジの声だ
俺はすかさず腰にくくりつけておいた巾着からあるモノを取り出す
「なっ…!」
巾着から出したモノを確認したミレニアは驚きのあまり、眼を見開き小さく声を漏らす
その様子だと俺が何するつもりなのか悟ったようだな
流石我が妹だ
「カイル……あなたそんなことしたら確実にイルバーリさんに―――」
「それ以上は言うなミレニア」
わかってる、わかってるんだ
だが男にはやらねばならない時がある
「大丈夫だって、俺は必ず生きてかえってみせる」
愛する妹を残して死ぬことなんてできないと、まるで戦地に向かう兵士の如くミレニアに言ってみせた俺カッコいい!
「いや、心配したつもりは無いんだけど」
何か聞こえた気がするが気のせいだろうと自分に言い聞かせ、何時でも茂みから飛び出せるように身構える
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