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「…がい…………を………けて…」
気がつけば、白い空間にいた
そして、耳をすませば女性の声が聞こえる。
誰だ?お前は…
「…がい……ます……けて………」
だんだんと声が小さくなっていく。
誰なんだ?姿を見せろ!
「ね……がい……」
そして、声が聞こえなくなった。
「待てっ!」
俺、神碕光明は自分の声で起きた。
「……夢、か」
(いったい、何だったんだ?)
俺は身支度をし始めた。
この青年は神碕光明。
大学生だ。
漆黒の髪に、赤い瞳。
普通の人だ。
いや、瞳の色だけは普通ではない。
そのせいで、周りにやたらと構われるのだ。
だが、この光明というやつは容姿端麗の美青年だ。
まわりの女子が放っておくはずがない。
「行くか………」
俺はいつもどーりに支度をし、いつもどーりに大学へと向かった。
家から大学へは以外と近い。
「またか………」
しばらく歩いていると、俺の周りは男が取り囲んでいた。
だが、これは日常茶飯事なのだから俺がいちいちうろたえることはない。
「はぁ……よくもまぁ、飽きないよな…お前ら…」
「神碕光明!今日こそあの世へおくってやる!」
「聞き飽きたっての……今日こそって……今日は一体何日あんだよ…何か?お前らは365日全部今日なのか?」
「う、うるせーっ!!」
そう言いながら男達は一斉に襲い掛かってきた。
「だ、か、ら……しつけぇ!」
俺は一人の男の攻撃を素早くかわし、勢いよく蹴り上げて気絶させた。
「まず一人……」
「くそっ………」
そのあとも次々と男達が襲い掛かってきたが、俺は難無くかわし、手刀をくらわせ、気絶させた。
そして、最後の一人になった。
「あとはお前だけだが…」
「…くっ……」
男は鋭い視線を光明にぶつけた。
その時だった。
ドクンッ
「………っ!?」
俺の身に何が起きたのか、急に胸を押さえてふらついた。
「くっ……こんな…とき、に…」
もちろん、男はそれを見逃すハズもない。
それを狙ったかのように、俺に襲い掛かかった。
「かっはっ…」
男は俺の腹を思い切り鉄の棒で殴った。
「油断したなぁ?神碕ぃ?」
(く……そ……)
俺は立つのがやっとのようだ。
「お前…このことを…知って……」
息も絶え絶えになりながら言う。
「さーあなっ!」
男は俺の頭をいきなり殴った。
「…っ!!」
俺はその一撃で闇におちていった。
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