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「ねえねえ、お嬢ちゃん。ひとりかな?何してるの?」
人もまばらな駅前の広場。
深夜12時30分。
こうやって、ベンチに座ってるだけで話しかけてくるバカで気持ち悪いオヤジ。
嫌らしく鼻の下を伸ばして私を見る。
「何にも」
「そうなの?早く帰らないと危ないんじゃない?」
「別に。…ねえ。それよりさ、おじさん」
顔を上げて見上げる。
普通の体型をしたメガネをかけた30後半ぐらいのオヤジと目が合った。
「私とヤりたいんでしょ。ゴタゴタ言ってないでそう言えば?4万でヤらせてあげる」
毎日毎日この場所で、私は"エサ"を捕まえる。
身体を差し出すだけでお金をくれて、ご飯を食べにつれてくれて、私を必要としてくれる。
私の言葉を聞いたオヤジは嫌らしく口もとを歪めて、笑った。
「ホテル、行こうか」
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