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T.Yside
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「なあなあ、陽」
昼休み。
親友の優ちゃんが話しかけてきた。
「あにー…」
ついさっきの国語の時間、半寝だった俺は、机に突っ伏しながら返事を返す。
「お前、吉岡美優って見たことある?」
「んえー…よしおか…」
…よしおか…
よしおか、みゆう…?
あ。
思い出した。
俺は顔をガバッと上げて優ちゃんを見た。
「ある!!一回だけ」
「おぉマジか?!」
不登校で問題児扱いされてるけど、確かおじいさんが校長だから単位は大丈夫なんだよな。
だけどテストだけは毎回受けに学校へ来るって聞く。
「どうだった?噂じゃスゲー美人って聞くけど」
「うん、スゲー美人だった」
「くっそ~見たかったなぁ~」
顔を抑えて悶えた優ちゃんは、あれ?と呟くと動きを止めて俺を見た。
「でもお前、吉岡美優と同じクラスになったことあったっけ」「ううん、ないよ。今回が初めて」
「はあ?じゃあ何で陽が見れんだよ。テスト期間の休み時間は教室から出れないだろ」
この学校の変な規則でテスト期間の休み時間は教室から出れないことになってる。
何でか知んないけど。
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