吉岡美優

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だから、彼女を見れるのは同じクラスになったヤツらと、登下校で偶然見かけたヤツだけ。 俺が、彼女を初めて見たのは高2の期末テストのとき。 テスト終わりの帰り道で、バイトの入り時間に間に合いそうになかった俺はひとりダッシュで帰っていた。 みんなダラダラと喋りながら帰っているから、もちろん周りには誰ひとりいなくて。 そこには走る俺と、5メートルくらい先を、早足で歩く彼女だけだった。 あの時の俺は、まだ一度も彼女を見たことがなくて、名前を噂で聞いてたくらいだった。 呑気に、あの子もバイトに間に合わないのかなって考えたりして。 焦げ茶色のサラサラのロングの髪をなびかせて、歩く彼女を追い越す。 何気なしに顔を見たら、彼女と目が、合って。 ―…うわぁスゲー美人。 走りながらそう思ったのを今でも覚えてる。
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