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身体に溢れた未来の画面は
燦爛と煌き 夜灯蛾を
誘い込んでは 灼く
頽れはせぬ 小さな恋よと
生命さえ崇め奉り
寂しさに浮遊する
甘き悲しき 終末の
世にも美し乱れ髪
たなびく心は硝子の模様
穢れなき時の面影のある
罪の匂いをこそ持って
夜灯蛾は、云う
「お前に、私の卵を産みつけ、
そして、お前は須臾の自由の母となる。」
やがては灼かれ朽ちる定めのあることを
漆黒に生きる者の恍惚がここに埋める
祝福よ 今こそ
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