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2日後、3人はまた同じ場所に集まっていた。情報屋が調べたデータで作戦をたてるためだ。その情報を見ながら、レオは眉間に少し皺をよせて、呟いた。 「ガードが固いのは予想していたし、腕のたつ人間もいるだろうってのは、わかってた。だが、こんな腕利きとはな…。」 「予想外だったってことか?」 ホークが珍しいものを見るような顔つきで、レオを見た。一方でシェリアは情報屋が送ってきたデータに目を通してから、明らかに機嫌が悪くなっているのがわかった。ホークもレオもシェリアがこんな状態になるだろうことは、簡単に予想できたが、作戦をたてるのに情報を伏せておくわけにはいかない。 「気に入らないわ。人身売買して、人を売春の道具に使うなんて…徹底的に叩く必要がありそうね…。」 シェリアが独り言のように呟いた。言葉はレオにも、ホークにも届いていたが、2人ともそのつぶやきを聞き流した。レオが口を開いた。 「いずれにしても、ドンを叩く前に、こいつをなんとかしないとな…。ドンがいるときに、こいつが側にいたら、どっちにしても面倒だ。最悪の場合、俺達全員が殺される可能性がある。逆に俺達が相手を殺してしまうってのもあり得るからな…。それだけは何としても避けたい。」 レオの言葉にホークとシェリアは頷いた。悪人からお宝を盗んだり、真実の姿を世間にさらしたりはするが、命は奪わないというルールを持っている。そのことから、義賊という考えを持っている人間は少なくない。もっとも、そんな考えをもたれたくて、この職業を選択したわけではない。 レオは自分の両親の消息をつかむため。ホークはスラムで暮らしている家族同然の仲間を養うため。シェリアはかつて自分達3人が暮らしていた孤児院を潰した組織をみつけるためだ。当然まともに働くより、リスクは大きいが、稼ぎや情報量は並の仕事では到底かなわない。だからこそ、怪盗として生きているわけだが。
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