後片付け

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--------------- ………黙ってちゃ、分かんないんだけどな……… 翼が口を閉じてから、 どれだけの時間がたったのだろうか。 長いようで短い時間が過ぎた気がする。 その間、翼と男は一度も口を開いていない。 沈黙と微かな殺気だけが、この場を支配していた。 「…本当、忍者さんは用心深いんですね。」 ため息と共に嫌味っぽく言葉を告げ、 沈黙を一瞬で壊す。 「………得体の知れない者と接するときは、用心深くなれと教わったので。」 「ははっ!言いますね。」 男の思わぬ嫌味に、 翼から感嘆の声と苦笑が零れる。 「でも………そんなに用心深いんじゃ、私のことなんて何一つ分かんないと思いますよ?」 ニヤリと笑って視線を男に向けると、 ほんの一瞬、苦虫を潰したような目を見た。 翼は、今度はクスッと艶やかに微笑み、 静かに立ち上がる。 男がピクッと反応し、 手に力を入れたのを 風と殺気を通して感じた。  
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