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「私の性格と思考は、話してみれば大体分かりますよね。」
翼は視線を男から光り輝いている月に移す。
「能力は、戦ってみれば分かりますよね。」
有無を言わせない口調。
それが、男の反論しようとする思考を防いでいる。
「ということは………貴方が………いえ、貴方達が知りたいのは、私の過去ですか?」
-----ばれている。
男の薄々感じていた疑惑が確信に変わった。
男が土方副長に頼まれたこと。
それは、望月 翼の過去を軽くでいいから探って掴め、ということだった。
別に副長も好き好んで過去を暴こうとしている訳では無い。
“罰”
“仇”
沖田が聞いたこの二文字が意味する物。
それはおそらく、過去に関する二文字。
そしてさらに、強さの根源である二文字。
要約すると、
何らかの仇をうつために、強くなった。
そう読み取れることになる。
-----つまり。
過去を知るということは、強さの根源を知るということになる。
だから副長は、過去を調べることにしたのだ。
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