2661人が本棚に入れています
本棚に追加
「翼さん、遅いですよーっ!!
何やってたんですかー?」
部屋に入って開口一番に言われた言葉は、
ずばり文句だった。
しかし翼は、
「あーはいはい。
いろいろあったんですよ。」
などと適当に相槌を打つだけで、
その文句をサラっと流す。
「いろいろってー…」
どうやら文句の主である沖田はその返答に不満のようだが………
「……………」
翼は知らん顔の一点張り。
その表情のまま沖田の隣に座り、キョロキョロと周りを見渡した。
……………お茶…。
翼の切なる願いは叶えられそうにもない。
「…もういいですよ。
どうせ、星でも眺めてたんでしょー?」
「…ー--っ………」
どんぴしゃりと言い当てられ、
翼は危うく咳込みそうになった。
お茶を飲んでいたなら、十中八九、間違いなく吹き出していただろう。
飲んでいなくてよかった、
と醜態を曝さずにすんで心の底からホッとした。
………いや、ちょっと待って。
何で総司は知ってるんだ………?
ホッとしたのもつかの間、翼は沖田に対して微かな疑念を抱いた。
最初のコメントを投稿しよう!