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「………」
「………」
やはり返事は無い。
いったいどうしたらいいのやら、
と一瞬頭を悩ませたが、やはり声をかけるしかないと思ってさっきと同じ行動をする。
「ねぇってば。ねぇ---」
「-----フゴッ」
「……………」
………今一瞬、目の前の男が、息を吹き返したかのような声を出した気が……………
「…………フゴッ……………………………………ガァー、グガァー……」
……………気のせいじゃなかった。
これは俗にいう、無呼吸ってやつだろうか…。
それにしても---
「………紛らわしい。」
翼は呆れたようにその言葉を吐き出すと、
気をとりなおして土方の指示があった机に向かった。
-----ガッ
「スピッ!?………」
………歩く途中に無惨にも蹴られて奇声をあげてしまった男は、
見なかったことにしよう。
そうやって翼は蹴られた男達を省みることもなく、机の上の食器を片付けていった。
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