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……………水。
あんなにがぶ飲みしていたのが水なんて、なんか可哀相………。
「…なんだ、その人を哀れむような目は。」
土方が翼をジロリと睨む。
どうやら、翼の目は素直なようで、
翼の気持ちが出ていたようだ。
目は口ほどに物を言う。
この状況にぴったりな言葉だろう。
「…土方さんは、お酒に弱いんですか?」
「……………」
土方は、聞くな、とでも言いたげに再び翼を睨む。
しかし、まるで恥ずかしい気持ちを隠すような睨み方なので、
翼にとってはちっとも怖くないが。
むしろ、鬼の副長のこんな表情に新鮮さを感じ、笑みが零れそうになる。
だが、実際に笑ってしまうと、土方の逆鱗に触れる可能性があるため、
翼は苦笑することで
表情を取り繕った。
「睨まないで、答えて下さいよ。」
些か土方の睨みがおさまったところで、
翼は質問の答えを促す。
すると、土方が視線を机を拭いている手に移し、
重たい口を開いた。
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