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----スパンッ!
「翼さん、部屋に戻りましょー。」
障子を勢いよく開けたと思われる軽やかな音と沖田の声が
土方の言葉を遮った。
あまりのタイミングのよさに、
故意ではないだろうか、
と一瞬思うほどだ。
「もう終わりましたよね?
早く寝ないと明日辛いですよ。」
そうしている間にも、
沖田は障子の近くの柱によっ掛かり、
翼を呼んでいる。
翼は片付けが終わったのだろうか、と思い
グルリと部屋を見渡す。
……微妙ー………
遠くから見て目立った汚れは無いが、
手ぬぐいはいくつかの机の上に放置状態。
…部屋に戻りたいけど、戻ってもいいのかな…?
翼はそう思い、
土方に視線を向けた。
「…あっち机に置いてある手ぬぐい、とってきてくれ。
ついでに、その机も拭いてこい。」
土方の視線の先に顔を向けると、
沖田が立っている所から最も遠い机に
ポンッと取り残された感ありありの手ぬぐいが。
そしてその机の所々に汚れが。
………あー、やっぱり。
一番面倒臭そうな所を…
心の中で悪態をつきながらも、
翼は命令に従うべくその机に向かった。
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