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「んー…気持ちいい…」
暖かい日差しと頬を撫でるような柔らかいそよ風が吹く縁側に、
ゴロンッと寝転んでいる少年がいた。
ちなみにここは絶好の穴場で、滅多に人は通らない。
と、思いきや---
「翼さー--んっ!!」
……………出た。
あー、また煩いのが…。
寝転んでいる少年の名前を叫びながら駆け足で向かって来る中性的な顔立ちの青年が。
そう、寝転んでいる少年というのは、
少年のふりをしている未来から来た少女、望月 翼である。
しかし翼は、青年の対処が面倒臭いのか、
寝たふりを突き通していた。
「翼さん、起きてくださいよーっ!
そろそろ準備しないと、夜の巡回に間に合いませんよ?」
翼の横にやって来た青年は、しゃがみ込んで翼の耳元で不満の声を出す。
そのしつこさに翼は折れ、重い瞼を開いた。
「………何、総司。」
「何、じゃないですよー………」
全然、人の話聞こえてないんですね、
とため息混じりに言う青年は、
翼の同室で、何気仲のよい沖田 総司である。
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