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そのうち、人が集まってきた。
「すごいわ!獣魔法使いなんて初めて見た!」
「耳触らせて~」
「握手して!」
アキノスケは人だかりに囲まれて、身動きがとれない。
センリは、はぁと溜息をついて言った。
「ほら、言わんこっちゃない。」
「あら!」
一人のおばさんがセンリを見て呟いた。
「赤い髪で十の指輪…そして獣魔法使いと一緒にいる……もしかして貴方―!」
「ヤベッ!あたしはこれにて。」
センリは悪い事をしてみつかった時のような顔をした後、銀行強盗の髪の毛を掴みながら、どこからともなく現れた風に乗って人だかりから離れていった。
「あっ、逃げやがった。あいつ…」
アキノスケはまだ身動きが取れなかった。
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