[温]

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「…っ!」 弾かれたように顔を上げ、辺りを見渡す。 「夏…み…」 壁にもたれ掛かってこちらを睨むように見る夏海と、目が合った。 「抱いてほしいの?」 電話口から聞こえる声と、見えている夏海の唇がリンクする。 「な、に…言って…」 「ラブホ、男入って何もしていないわけないよね?」 夏海の言葉に、胸がズキズキと痛む。 今更ながらに、自分の愚かさを呪った。
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