[温]

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「夏海…」 言い訳の言葉すら出てこなくて、私はただ夏海の名前を呼ぶ。 「………」 「………」 「……じゃあね」 「待っ『プッ、ツーツーツー』」 冷たく響く機械音が夏海からの拒絶のようにも聞こえて。 私は背を向けて歩いていく夏海を追いかけることができなかった。 嫌だ… 夏海に、会いたい… 抱き締めて欲しい… 好きだよ…夏海…
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