234人が本棚に入れています
本棚に追加
「お姉ちゃん、最近変なんだよね。家でもぼうっとしてるし、時々何か考え込むみたいに携帯見つめてるし」
真海は、顎に人差し指を当てて小首を傾げる。
この、私よりも可愛い仕種の似合う真海が男だなんて…
信じられない思いとは別に、私は安心していた。
「ありゃー恋の病だね」
うんうんと1人頷く真海に、私は思わずつかみかかる。
「夏海の会社っ、どこ!?」
「え?あ、あれだけど…」
真海が指差した先は、私がずっと夏海を待って立っていた場所からすぐ近くだった。
「な、んだ…こんなに、近くにいたんだ…」
へなへなと力が抜けて座り込む。
最初のコメントを投稿しよう!