[温]

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「すぐに行く」 夏海はそう言って電話を切った。 携帯を真海に返し、その場に座り込む。 何かを察したのか、真海は用があるから渡しておいて、と社員証を置いて去っていった。 真海が居なくなって、また1人夏海を待つ。 けれどそれはもう、来る宛がない人ではない。 心臓が、煩い。 耳も目も塞いで、このまま逃げてしまいたい。 でも… 今度こそ、ちゃんと伝えなきゃ。 もう、後悔したくないから… 「‥夏海‥」 目を閉じて、夏海を待った。
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