[逢]

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常葉香波(ときわかなみ)。 容姿、学力共に平凡な18才女子高生。 友達も、多くなく少なくなく。 本当に、何もかもが平均的な女の子。 ただひとつ、人より寂しがりやだと、自分ではそう思っている。 こんな風にフラフラ遊び歩いていても、心配するような親ではない。 あの人達は、私なんて要らないから。 15才。 高校に入りたての時に、ずっと独りだった母親が再婚した。 今さら母親をとられたようだと拗ねる年でもなし。 私は今まで通りの日々が続くと思っていた。 あの言葉を聞くまでは。 「あんた、邪魔」 たった一言だった。 実の母親から発せられたその言葉は、はっきりと私を拒絶していた。
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