[逢]

3/14
前へ
/54ページ
次へ
別段、母親と仲が良かったわけでもない。 だから、さほどショックではなかった。 けれど、独りで食べる夕食や、独りで見るテレビは、淋しくて淋しくて仕方がなかった。 そんなときに出会ったのが竜也だった。 いつも傍にいてくれて、いつも抱き締めてくれた。 あの時私は、確かに彼の温もりに包まれて、幸せだった。 あの温もりが忘れられなくて、私は竜也と別れたあの日から、ずっと探している。 幸せだった、あの時を。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

234人が本棚に入れています
本棚に追加