[逢]

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とりあえず、淋しさが埋まればいい。 ほんの一時でも、温もりがあればいい。 そんな思いで、私は何人もの男と寝た。 だけど最近気付き始めていた。 温もりを求めて躯を重ねた後の、言い様のない虚しさ。 その虚しさが、どんな淋しさよりも苦しいことに‥ 「誰か拾ってくれぃ‥」 小さく呟いてみる。 秋の風に冬の匂いが僅かに交じり始めた冷たい風に吹かれ、捨て猫になったような気分だった。
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