帽子屋とネズミ

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呪文が唱え終わると同時に、体が一気に軽くなった。 〔元々、眠りネズミに近付きたいが為に身につけたものだ。悔いはない。〕 とそう思った瞬間、ルクスの体の奥でなにかが宿った。 「!!」 それはずっと望んでいたものだ。 〔なんだよこれ……。俺が馬鹿みたいじゃないか……。〕 と思い、自傷気味に笑ってからウサギに告げた。 「教えてやるよ。俺の名前を。それも偽りの名じゃなくて、真(マコト)の名をな!」 ・ ・ ・  
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