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私は廊下に張り出された紙の前で握り拳を握り締め、必死に怒りに耐えていた。
そんな私を周りの同学年の人々は同情の目線を送ってくる。
「何故だ……何故お前は私よりいつも上に居るんだ!」
廊下に張り出された紙1番上を指さし私はほえる様に怒鳴る。
周りのクラスメイト達は苦笑いを浮かべていた。
だが私だって怒鳴りたくなる。
毎日きちんと学校に通って勉強だって人より頑張って居るのに、入学以来ずっとテストの順位は2位……
入学以来1度も姿を見た事無い奴にずっと負けているのだ。
「仕方が無いよな……この人毎回1位だし」
私の周りに居た男子の1人がそう呟いたの耳にしたので私はそいつを睨みつけた。
「悔しくないのか!?毎日学校に来ないのに、いつの間にかどこかでテストを受けてオール満点を取って帰るこいつに負ける事が!」
私がほぼ自分でも八つ当たりだと分かる大きさの声で尋ねるが、男子はビビッたのか首を縦に振るだけだった。
周りの奴らもその男子に合わせえる様に首を縦に振った。
私以外の全員が1位を取る事を諦めてる。
異常とも言えるこの状況。
しょうがないとも言える。
入学当初からずっとオール満点なのだからな……だが、私は納得できなかった。
後学校生活も残り2年無いが、負け続けてる……
絶対1度はこいつに勝つ!絶対だ!私はそう心に決めて眼鏡の位置を直し、もう1度1位の奴の名前を睨みつけた。
『1位クラッス・ナクナリア』という名前を……
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