君の隣で

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「未可子っ!」 その突然の呼び声に振り向いたのは私だけじゃない。 クラス中の皆だ。 「赤城! 今、授業中だぞ!」 教科担任の当たり前の反応。 「みたいですね。じゃ、後で!」 ------じゃ、後で! その言葉通り、 休み時間、赤城先輩に連れられて 校舎の屋上に来ていた。 「ゴメンな。」 「あっ、いえ、でも、授業中はやっぱり、」 「そうじゃ無くて、朝、迎え行け無くてさ。」 そっち? 「いや、それは結構です。」 「あっそう? 助かるよ。 俺、朝苦手なんだよね。 ってか、まだ家知らないんだけどね。」 「あはっ、」 私も助かります。 「だから、帰り送ってく。」 げっ、 「あの、本当に結構なので、 気を使わないで下さい。」 「へぇー。」 怒らせた? 「案外、照れ屋なんだな。 まぁ、そういうのも嫌いじゃ無いけど。」 どうしよう、益々ついて行け無い。 「今からどうする?」 「どうって、授業が……」 「だよな。 よし、俺も今日から授業受ける。」 って、 昨日までは受けて無かったんですか? 「後、明日から、期末テストなので 帰りは……」 「分かった。」 意外に素直? 「帰りは一緒に勉強しよう。」 えっ!? 有無を言わせ無いと言うか、 やっぱり私の返事はどうでもいいらしい。 学校帰りは、赤城先輩の家で勉強する事になった。 ……い、家!? 帰り道、 赤城先輩と歩いていて気付いた事は、 道って、 今まで譲り合うものだと思ってたけど、 譲られるものだったんだね……
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