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寝惚けている……訳ではない。
出所さえ解らないが、その声の口調ははっきりしており、決して空耳では無いのだ。
しかし、自分の界隈を見渡しても、誰もいない。
「誰だ!? どこにいる!?」
『シンジテル────』
「!!!」
今度こそ、はっきりと鮮明に聞き捉える事が出来た。
その瞬間俺は声の主が誰だか、理解する。
「室山……」
室山は返事をしない。
だか、俺は予想する事が出来る。
目の前に佇み、微笑を浮かべている彼女の姿。
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