【生死ノ逡巡】
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肉眼で確認は出来ないが、心で俺は感じ取った。 瞼を閉じた俺の視界は、回りの風景が全てシャットアウトされ、はっきりとした輪郭を持つ室山の姿が写しだされる。 すると室山が手を差し伸べている。 俺は躊躇いも無しにその腕を握ると、今にも消えそうな感触だった。 『……サヨナラ』 室山が別れを告げた刹那── 日付が代わった事を告げる鐘が鳴り響き── 俺の手から1つの物が散っていった……
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