鈍感

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「で、佐久間君とは何もなかったの?」 大学の学食で、興味津々といった様子で麻子があたしに尋ねてくる。 その目は、期待と希望で溢れかえって、キラキラというよりはニヤニヤに近い表情をしていた。 「だーかーらぁ、何もなかったって言ってるでしょ!あの後、普通に話して朝送ってもらっただけだってばー。」 あたしがそう答えると、麻子の表情は一辺してジトーっとした目に変わった。 「マジで?何だぁ!佐久間君ってば意外とヘタレなのね!期待して損したぁー。」 はぁー。と、麻子は残念そうにテーブルにひれ伏した。 「何よ、それ。何かその発言って佐久間君が下心あってわたしを介抱したみたいじゃない。」 はぁ??? っと、ものすごく眉間に皺を寄せて麻子はため息をついた。 「なっ、何よ?」 「サラさぁ、ほんとーーーーぉに気がつかないの?」 「だから、何がよ!」 「だから、佐久間君はあんたに好意を持っているって事よ!」
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