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「佐久間君だっけ?あたしSARAってゆうの。今度イベントする時、呼んでね!」
営業用スマイルで話しかけた。
チラっとあたしの顔を見て、佐久間君はボソッと口を開いた。
「・・・。次いつやるかわかんないよ。」
「あ、そうなんだ。いつでもいいよ!気が向いた時に誘ってくれれば。」
「気が・・・向いたらね。」
腹の中ではこの失敬な奴に怒りを覚えつつも、あは~と愛想笑いをした。
(・・・何よ。やっぱりヤな奴!賢治君てば、「SARAちゃんに興味持った」なんて嘘つい たなぁー!)
少し期待を裏切られた気がして、気分を害したあたしは手もとにあるジョッキを飲み干した。
今思うと、こんな出逢い方をしたあたし達が恋に落ちるなんて…。
この時は、そんな事まったく思わなかった。
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