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「ドラゴン!!!???」
ウィンダスにつき、領事館で話を聞いた後町の人に話を聞いていた私とりんちゃんが耳にしたのはとんでもない内容だった。
領事館での話はこうだ。
「ヤグードたちを脅かしている何物かがいる。それを退治してほしい」
ウィンダスでは敵であるヤグード族と僅かではあるが友好を結んでいる。
領事館とはいえ頼まれれば断れないのだ。
しかし相手が【何者】か分からない以上、しっかり調べていくべきだと私と彼女は今聞き込みをしていたのだが…
「ドッドラゴンってあのドラゴン!?」
私の知る限り凶暴で強いその生物が、でるらしいのだ。
白魔導士である私が倒せる相手ではない。
「うみゅ~…困ったにゃι」
りんちゃんも困った様子である。
いかに熟練された赤魔導士であり、その証の服を身に纏った彼女がいようとも2人では分の悪過ぎる相手だった。
と…そこに鈴の鳴るような爽やかな声がかけられた。
「お困りみたいですね。自分でよければお手伝いいたしますよ。」
2人が振り向くとそこには柔らかな笑みを浮かべたエルヴァーンの男性がいた。
風にそよぐはプラチナブロンドの髪。
肌はビロードのよう。
「おぉっ…」
私たちは思わずその人形のように美しい男性に見とれてしまった。
「ん?どうかなさいましたか?」
男性が不思議そうに首をかしげる。
「こうみえても腕に多少の自信はあります。少しはお役に立つことができるかと…」
そういうと男性は穏やかにお辞儀すると手をこちらに差し出した。
「あっ…ありがとう御座います!!よろしくおねがいしますね。」
そういってその手を握ろうとした。
その瞬間。
殺気とも取れるような数多の視線に思わず私は身震いした。
辺りを見回すと色々な種族の女性が私を射抜かんばかりの視線で睨み付けていた。
「はははは…」
苦笑いする私の手を不思議そうに握り
「では、参りましょうか?」
とその男性は周りの視線に気付くことなく、うやうやしく私達に一礼したのだった。
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