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ウィンダスを離れしばらくすると粘つくような視線もなくなり、さらに進むと目的地が見えて来た。
「自分の名はカムイといいます。」
エルヴァーンの男性はニッコリと微笑みながら自己紹介をしてくれた。
「あ、私はぬこら、こっちは友人のりんちゃんです。」
私もつられてニッコリとしながら自己紹介をする。
「白魔のぬこらさんに赤魔のりんさんですね。自分はカラクリ士をやっています。」
そういうと彼の手に輝く棒が更に強い光を放った。
「【鬼若】出番ですよ?」
そういうと彼の脇に小さなオートマトンが現れる。
「自分の相棒です。」
そういうとカムイは鬼若と共にペコリっと一礼する。
「こうみえても結構タフなんです。自分が前を歩きますね。」
そういうとカムイは私達を先導し、ヤグード達の住む山を登って行くのだった。
そろそろ山の頂上だろうか?と皆が思い始めた頃、辺りの気配がガラリと変わった。
冷たい肌を刺すような殺気に満ち、何より音が…しない…
「いよいよ…おでましかにゃ?」
進む先に紅い血のような色の魔方陣と何かの影が見える。
誰かがゴクッと喉を鳴らす。
「さぁ…いこ『なんだ~随分遅かったねっ♪』」
重々しく開いた口を閉ざしたのは待ちくたびれたような男性の声のせいだった。
「あっ…!!貴方は!!」
私は彼の顔に見覚えがあった。
「貴方、ぢゃなくて【きらゆら】って名前があるんだよ~」
そういうとサンドリアで出会ったタルタルの男性はちっちっちといった感じに指を振った。
「どっどうしてここに!?」
驚く私にきらゆらは
「だって手伝うって言ったじゃないか♪」
というと愉快そうに笑ったのだった。
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