3961人が本棚に入れています
本棚に追加
/601ページ
――…
「なんてことだ!!」
国の機関のある一室――…、高そうな椅子に腰を下ろしていた男はデスクを叩いて叫んだ
「まさか、咎の塔にいた人間が全員死んだなんて… 前代未聞だぞ!!!」
「それに、咎の監視員まで全員バラバラだったそうじゃないか… 。」
「なんて惨い。監視員とて、そこらの人間とはちがう。少なくとも罪人を簡単に殺せるほどの力は持っている…
だが、それも虚しく全員死んでいた」
「由々しき事態だ!!
幸いにも咎の塔の存在は民にはあまり知られていない。おかげで混乱は免れた…
だが、目撃者はおらず監視カメラも壊され、犯人を捜し出すのは無理に等しい。ただでさえ…… 国家機関に不正を働く者に対し、人を費やしているんだ。なぜ、こんなときに…」
「しかし、いったい何のために…」
男たちは口をつぐむ。本当にわからなかった…
咎の塔には何もないし、あるのは罪人とそれを監視する監視員くらいだ…
「……殺すことに意味があったのか? 」
.
最初のコメントを投稿しよう!