-Zero-(中学編)

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なぜ、そんなにも僕は詳しく知っているのか… 答えは簡単だ。僕もその被害者に該当するのだから。 入学して二ヶ月と経たない間もない頃、会長に目をつけられた。理由は僕が会長を他の生徒のように崇拝しないことに興味を抱いたとのこと… 正直言って迷惑だ。なにせ会長は自分の魅力に靡かない生徒は自分の性奴隷にし、それこそ飽きるまで犯し自分に溺れるまで抱き続ける、という何ともはた迷惑なナルシストなのだから、僕は嫌いだ。 おまけに拒むようものなら媚薬まで強引に飲ませてくるのだから、あの時ばかりは本気で殺意を覚えた。 それでも殺さなかったのは僕の度量が大きかったからだと思う。何にせよ、先に調べておいてよかった。 会長のことを事前に調べ上げた僕は呼び出しを食らった直後、生徒会室に入る際、用意していたモノを懐から取り出す。それは以前に、こんなときもあろうかと僕が開発したものだった。その特殊な風船状のモノを口の中に張り付け、口に何か含んでも一切、喉を通らないようにした。 呼吸はもちろん、鼻で… バレないように完璧に。いつも通りを装う僕は役者顔負けの演技振りだったと思う。←(自画自賛) .
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