-2-(入学間近、嵐の予感)

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――‥ そして、夜- がやがや…          ざわざわ-- 王宮のパーティーに呼ばれた招待客たちは世間話や株価、政治の話などで盛り上がっていた。 派手に着飾った貴婦人たちは、一緒に踊るパートナーを捜し… 特に、高貴な位を持つ男性のところには女性陣が詰め掛かっていた。 無論、シュバルク公爵家も女性陣には注目の的で、父のアクシオンと長男のヒューは女性陣に圧され、もみくちゃだ。 そしてジルタニアスはというと――‥ 毎度のことながら慣れているらしく、女性陣が詰め掛ける頃には既に男性陣のところへ逃げていた。 一方、クリフェイドはというと‥ かなり機嫌が悪かった。 なぜなら――‥ 「ねぇ、君かわいいね?よかったら一緒に踊らない?」 「いやいやいや、そんな奴より私と踊ってくれませんか? 夜のサービスも勿論優しくしますよ」 「……………。」 おい、最後のはどういう意味だ!? そう、クリフェイドは男性陣に誘われていた。 「………僕は男ですが」 不機嫌さを表すように眉を寄せるその声は冷たく尖っていた。 が、そんなクリフェイドの不機嫌さに男性陣たちは気づかない 「いやいや知ってるよ?だけど、そういったことはうちの国じゃ気にする人なんて、あんまりいないよ」 笑顔で答える。 その顔に腹立たしさを感じるも、女性陣に圧されている父や兄のほうを見たクリフェイドはまだこっちのほうがマシかもしれないと内心溜息ついた‥。 .
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