-2-(入学間近、嵐の予感)

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――‥ ようやく満足したのか、今度は皿に乗せたデザートの山を上から順にフォークでつまんでいく。 と、ふとクリフェイドの目に止まったのは美味しそうな色をした液体が入ったグラス、 そう、それはカクテルだった。甘いもの好きなクリフェイドの鼻に纏わり付くのはカクテルの甘い香り… クリフェイドが興味津々にグラスへと手を伸ばす、その刹那――‥ ― - ピリリリィィーッッ! けたたましい笛が会場に響いた。招待客はもちろんのこと、クリフェイドも突然のことにびっくりし、グラスへ伸びていた手が止まる。 どうやら、笛を鳴らしたのは父アクシオンのようだ。アクシオンはジルタニアスに教えられ、振り返ると、 なんと、クリフェイドがカクテルの入ったグラスに手を伸ばしているではないか! 酒癖の悪いクリフェイド、あの惨劇を三度も繰り返してはならん!と焦ったアクシオンは懐に入れていた笛を思いっきり吹いたのだ。 笛が会場に響くや、 ズザザザッ …いきなりクリフェイドの前に現れたのは、黒い燕尾服のシュバルク家に仕える執事たち。 突然現れた彼らに、驚きいっぱいのクリフェイドは少々マヌケ顔。 「だめですよ坊ちゃん、貴方まだ未成年でしょう?」 執事たちに両脇を拘束され唖然とするクリフェイドにまた突然現れた昴は唇に人差し指を突き立てて、片目ウィンク。 「飲酒はだめですよ」 さりげなく、クリフェイドの前からグラスを遠ざける昴は苦笑を浮かべていた‥。 .
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