-2-(入学間近、嵐の予感)

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「…ふぅ、危なかった!」 そう言って、額に浮く冷や汗を拭うアクシオンの焦燥には誰もが驚いていた。 ――‥ が、先日巻き込まれた人間にはアクシオンの焦燥ぶりにも理解できてるようで、少し同情の視線を向けていたことは本人は知らない‥ 「…あれがお前たちの愛する末っ子か」 王は目の前のカクテルを昴に下げられて少しガッカリしているクリフェイドに視線を向けながら訊く。 「えぇ、とても可愛いでしょう」 自慢げに話すアクシオンに王も頷いた 「…そうだな。可愛いと言われれば可愛いが、中性的な容姿なのだな」 アクシオンと王が談話していると、何やらクリフェイドのほうで、ざわめきが増した。 「ん?どうかしたのか」 幾分ざわめきが大きくなったため、王は眉毛をピクリと吊り上げて近くの者に問う 「あ… いえ、その… 恐縮ながら、あまり表に出て来ない国家機密情報機関特殊組織の現室長がお見えになってるそうで… その室長様が会いに来た相手というのが――‥」 男が向ける視線の先にようやく気付いた。そこには非常に迷惑そうに顔をしかめるクリフェイドがいたのだ。 .
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