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「君がクリフェイド君かい?」
両手を上げ、おどけたような仕草をする男にクリフェイドの眉毛がピクリと吊り上がる
「……誰ですか貴方は?人に尋ねる前に、先にご自身の名前を名乗るのが礼儀かと思っていましたが」
あからさまに面倒だと顔をしかめて皮肉るクリフェイドに周りのざわめきが増した。
「それはそれは…
とんだ失礼を。では改めまして、私はスクワット・ブランドンという者です。なに、国家機関に就く官僚の一人に過ぎませんが」
めったに表に出てくることのないことで有名な室長がクリフェイドと、そんなやり取りを交わすことに周囲は驚きを隠せない
『なんだ、あの子供は!?』
『いったい、ブランドン室長とどういう仲なんだ?』
ざわめきが一層増していく周りにクリフェイドは不愉快げに些か眉間に皺を寄せる
「…そんなお偉いさんが一体、僕に何の用なんですか?父にまぁ、余計なことを吹き込むまでして僕をこのパーティーに出させるなんて……
何を企んでるんですかね」
ま、僕では貴方の考えてることなど図り知れませんが…
クリフェイドのその皮肉った意味深な言葉に、さすがにスクワットも顔色を変えた。
「…何が言いたいのかね?君は…」
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