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「―― ッ ! 馬鹿な…っ なぜ、お前ごとき子供がっ」
その荒々しい言葉に周囲は驚きを隠せない
「…今の言葉はどういう意味だ?スクワット…」
人だかりの間から優雅に前に出てきたのは威厳のある低いバリトンの声で問う、この国の若き王様‥。
「申し訳ございません陛下、子供の戯れ事についカッとなってしまい…」
前へと出てきた王に取り入るかのように急いで猫を被るスクワットにクリフェイドは異論することもなく、ただ小さく溜息を漏らし踵を反す。
――‥
「…まずいな」
それは上司の口から漏れた小さな呟き、
「何がです?クロス裁判官」
側にいるマコーネルはクロスに訝しげな視線を向けた
「彼だよ。たぶん、スクワットに目をつけられたんじゃないかな…? 勧誘した彼の面目も丸つぶれだし、あの意味深な発言も……」
手に持っていたグラスをテーブルに置き、腕を組んで顎に手を当てる
ア ン リ
「No.2がいるでしょう?」
「……アレは恐ろしく方向音痴だぞ」
「そういえばそうでしたね… 彼」
ふぅーと疲れた表情で息をつくマコーネル、
キ サ ラ
「では、No.1に彼を見張らせたらどうです?」
ふと思いついた提案を言ってみるが、
「残念なことに彼は他の任務に出かけてるんだな、これが」
眉毛を下げて、困惑の表情を見せる上司にマコーネルは盛大に溜息、
「あはは‥
たぶん、大丈夫だろう。アンリはまぁ方向音痴を除けば優秀だからな」
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