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「…すみませんね、どこの馬の骨かも解らない子供で」
皮肉った言い方で返すのは――‥
「クリフェイド!」
そう、クリフェイドだった‥。
「まぁ!やっぱりよ!この私に憎まれ口を叩くなんて…っ!やっぱりどこの馬の骨かも解らない子供だわ!礼儀もなっていないじゃない!!!」
扇で口許を隠して大袈裟にわざと周りに聞こえるように高い声で話す彼女にクリフェイドは僅かに眉毛を吊り上げた。
「僕に指摘するよりも、ご自分はどうなんです?お祖母様。礼儀がなっていないのは貴方々も同じだと思いますよ?
貴族だからと挨拶は無しですか?それこそ、貴族以前に社会人としてのマナーに問題があるのでは…?
それに、貴婦人がそんな大きな声を出すのは… 少々はしたないのでは?僕はそう思っていましたが」
と、やられっぱなしは性に合わないクリフェイドは父の両親云々気にせず、次から次へと毒づく。
しかも、それが全て的を当てているので祖母は、何も言い返せず、わなわなとただ震える…
「まったく、何の騒ぎ??」
さらにまだ毒づこうと口を開きかけたクリフェイドを止めたのは…
「アゼル殿下、これは……」
アゼルだった。
途端に視線を逸らす貴婦人に、アゼルは視線を向けた後、クリフェイドを見てなぜか溜息。
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