-2-(入学間近、嵐の予感)

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「…うん。そう、よくわかったね」 びっくりしたよ、というアンリだが、その表情は無表情で本当に驚いているのかわからない。どうやら彼自身、表情に乏しいようだ。 「普通、眼鏡かコンタクトをかけるだろ」 呆れ顔のクリフェイド、 「…眼鏡って邪魔になるし、コンタクトは痛そうだから」 アンリは半目のままクリフェイドを見つめ、ふと思い出した 「……で、君の名前… なに?」 「……クリストファー・サン・マルタン」 クリフェイドは何やら嫌な予感がし、面倒なことに巻き込まれないために以前使っていた偽名を使った クリストファー・サン・マルタン伯爵と…。 ――‥とりあえず、パーティー会場に戻るか くるりと振り返ったクリフェイドはアンリの手を引っ張る 「…そういえば、お前No.2とか言っていたな… 」 足を止めたクリフェイド、じっ…と無言で視線を向けてくるアンリに不思議そうに訊いた 「…何のNo.2なんだ?」 「…執行裁判所」 「え?」 .
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