-2-(入学間近、嵐の予感)

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――‥ なんて面倒なことに… 内心溜息つくクリフェイドは思った。 黒い死神って、確か…… 糞ジジイが言ってた気がする。咎の塔にも関係してたような… 「とにかく、だ!僕は今あった出来事は忘れるからお前も忘れろ!」 じゃ、と会場に戻っていくクリフェイドを見つめるアンリはボソリと呟く 「……忘れろ、なんて無茶言うね」 ま、無理だけど。と言って自分も本部へと戻っていった。 ――――‥‥ ――… 「……で、どうだった?」 クロス裁判官は立派なデスクに肘をついて顔の前で指を組む‥ 「…偽名を名乗られたけどね、腕は‥‥よかった」 「……腕?」 はぁ、 「ボクが行ったとき、既に二人とも会ってたけど…… ナイフの投げる動作にも隙はなかったし、 なんていうか、そういうことに慣れてる…? 感じ」 「ほう…」 クロス裁判官は目を細める。その笑みは何やら愉しげに歪められている。 .
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