-2-(入学間近、嵐の予感)

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――‥ ガサッ 草を掻き分け、探す。 扉を… 「――っ!」 一瞬、何かを感じた。 背筋が寒くなるのを堪え探す。ヒューマン牧師が裏で組織している部屋の入口を‥。 ――見つけた! それは茫々の草村、そこにひっそりと建つボロボロになった倉庫らしき小さな小屋、 クリフェイドが扉から中の気配を伺うが何も感じない。気を張り詰め、そっと扉を開けると 中は埃臭い小屋、そう‥一見は…。 クリフェイドはひたすら探す。必ず、あると踏んでいる隠し扉のスイッチを…。 そのとき、 クリフェイドはふと視線を止めた。 その先にあるのは三本立ての蝋燭立て。だが、クリフェイドが実際に視線を止めていたのは‥ その蝋燭立ての器具に刻まれた紋章だった。 「あれは――‥ 」 クリフェイドは無意識に片手で顔を覆う 『テンプル騎士団よ!ソロモン王を引き渡し、我等の主にして偉大なるフランス王、フィリップ四世に忠誠を誓えっっ!!』 『逃げろ!お前たちは… 私はもう…っ』 何かを諦めたような顔で手を引く青年たちの手を払い、首を横に振る憮然とした表情の金髪の少年… 『なりません!王っっ!!いったい何を…』 紋章の入った国旗を掲げ、迫る敵軍を見つめる少年は虚ろなる瞳、 『もう… 私は…… 疲れた。……生きることに』 仄かに笑みを浮かべる少年は今にも消えてしまいそうな儚く散る花のよう‥ その目には生気は感じられず、悲しみを携えていた…。 『王!?なにを…っ!!』 『私は――‥』 ――‥ 「……フランス王か」 クリフェイドは片手で顔を覆ったまま、自嘲の笑みを浮かべた 「…結局は、 何も変わらないのか…」 .
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