舞い込んだ依頼

3/3
前へ
/9ページ
次へ
いつも一緒の相棒。 力強い彼と仕事をするのが普通だった。 でも、あいにくーー。 昨夜から彼は仕事で留守にしている。 帰りは2週間も先。 そんなに待っていられない。 アイツが彼女の指輪を売り渡すかもしれない。 行方がわからなくなってからでは遅い。 だから、単独での仕事に踏み切った。 ウエイトレスに成り切って、アイツからオーダーを取る。 気が利くウエイトレスを演じながら……。 「ーーッ⁉」 「あ~可愛かったから、つい」 イヤラシイ手つきで触られた。 彼にさえ、まだ……。 個人的にも怒りを覚えていた。 それを我慢して。 数日間が経った頃ーー。 アイツがお宝を置いたまま、席を立った。 マスターがアイツの気を引いてくれているうちに。 用意していた偽物とすり替えて。 「ありがとうございました」 依頼は終了。 彼女の指には大切な贈り物が輝いていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加