仮面

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もう使われていない 工場だったのか分からないが そこにある機械達は すでに機能する気配は無く ただただ空虚な空間だった。 ボクは工場の機械の 裏側に隠れて通り魔を やり過ごすことを試みた。 ドキドキドキ… ボクの心臓の鼓動は 全力疾走と恐怖によって 補聴器無しで外まで 聞こえてしまうのではないか と思うくらい大きかった。 (お願いだから こっちこないで… 見つかったら殺される…) ボクは機械の影で小さく なりながら手を合わせて 祈りを捧げていた。 しかし残念な事に… パアッ……… 真っ暗だった工場内に 天井にある明かりから さんさんと光が降り注いだ。 「うっ…うわ…」 ボクは目を手で押さえた後 その手を払いのけると 絶望的な光景が飛び込んだ。 9人。 凶器を所持した人物が9人 ボクの周りを取り囲んでいた。 そこにはよく見ると さっきの黒いスーツの 鉄パイプを所持した 男も混ざっていた。 ボクはここに逃げ込んだ のではなく… 連れて来られたのだ。 そして9人は新聞にも 書いてあった様に全員が 白い仮面をつけていた。
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