仮面

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(ああ…終わった) もう助かる術はありはしない。 「アアアアアアアアッ!!」 狂喜に満ちた声を発しながら 鉄パイプの人が振りかぶった。 自分の人生の幕が下りる。 ボクは目を閉じた。 バキイイイイイ… 打撲音。 不思議とボクに意識はあった。 そればかりか痛みすらない。 ……… そんなのおかしい。 ボクは閉じていた瞳を 勇気を持って開いてみた。 するとそこには 驚くべき光景が広がっていた。 何と先程ボクを襲った 鉄パイプの人が吹っ飛んで のたうちまわっている ではないか。 (え…これは一体…?) 僕は気づく。 僕の横に誰かがいる。 「あっぶねー所だった。」 横にいた人は独り言の様に つぶやいているが 声はそれなりに低い。 恐る恐る彼の事を見る。 身長は170cm前後で 一般的な黒い学ランに 身を包んでいる。 髪はかなり明るめに 茶色く染めていて 髪型は短髪。 「9人相手か。 余裕かましてらんねーな。」 彼はそう言って学生鞄から 何かをごそごそと取り出す。
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